マイギリ式 火おこし  先人の知恵に学ぶ

マイギリ式 火おこし  先人の知恵に学ぶ

火おこし方法 更なる進化をめざして!

自分でも予想外に成功した 火おこし!
(初めて試した火おこし方法は こちらからどうぞ 火おこし1 先人の知恵に学ぶ )

少し 気分を良くしたので 他の火おこし方法を試してみたくなりました (^^)

どれも単純な道具ではありますが、その中に一つ機械的な動きの道具があります
その火おこし方法は マイギリ式 です、

その仕組みから簡単に火がおこりそうです
ネット上でもいろいろな方が紹介していますね、

それらを参考に自分もチャレンジしてみました

これが完成したマイギリ式の道具です

とても強力そうな道具ですね (^^)

では 製作風景を紹介しますね

まずは軸からです

これは最初の道具を製作した時のあまりで
作る事ができました

便利な素材 シノダケ です

使う時は乾燥させた方が使いやすいです

軸は長めです

ちなみに今回は50cmとしました

主に製作する部品は3つです

? 主軸となる部品
? はずみ車(フライホイール)
? 動力を伝える横木

まずは主軸に2箇所穴を開けました

はずみ車の空転を抑えるピン用(クギ)の穴
(今回は ピンに合わせて3mmとしました)

もう一つはヒモを通す穴です
(こちらはヒモの太さの5mmにしました)

次にはずみ車の製作です

家に転がっていた、厚さ15mmのポプラ材です

板の大きさから 直径14cmの円をコンパスで
描いて

なるべく円に近くなるよう細かく刻んでいきました

次に 紙やすりで 形を整えました

その後中心に穴を開けます

自分所有の一番太いドリルを使いましたが
大きさが足らず、
足らない分を彫刻刀で広げました

穴の大きさは、主軸の太さです
(今回は16mmありました)

仮組です

穴の径などを調整します

ここで 仮組をした時に感じました・・・・

少し軽いのではないか?
測定すると85gです

感覚的ですが、この倍近くは欲しいと感じたので
残りの材木から取れる最大径のはずみ車を
もう一つ作りました

これで 140gを超えました (^^)

二つの部品は木工用ボンドで固定します
次に はずみ車を固定するための加工です

主軸に通すピンが着くように
はずみ車の方にも溝を加工しました

ピンの長さの両側にピンの径(3mm)の穴を
空けて その間を彫刻刀で溝を掘ります

コツは 木の木目に沿って加工すると楽です (^^)

こんな 感じで完成しました
しかし ここでトラブルです!

穴の直径が10mmなのです
アジサイの軸が10mmだと、スッポリ入って
しまい

摩擦の力で主軸と空転してしまう事が
想像されます

穴の小さい部分で作り直すには
材料が足りませんし、はずみ車の穴を
空けてしまったので細くしたくありません・・・・・

いろいろな方法を考えましたが

突然閃きました (^・^)

写真のように十字に罫書きを入れます・・・

その罫書き通りに

十字にノコギリで切り込みを入れます

さてどうなるか?
組み付けの時に判ります

お楽しみに・・・

問題が解決しそうなので次に進みます

次は横木です

これも家に転がったいた
廃材からつくりました

主軸の通る穴は主軸径より1mm〜2mmほど
大きくします、

それはスムースに動かすためですが

その穴の両側に4mm〜5mmぐらいの
厚さが無いと弱くなるので

横木の幅は主軸の太さで決めます

ちなみに長さは35cm
特に理由はありませんが仮組みした時に
今回使う紐の長さで決めました

穴は、はずみ車と同じ方法であけました
スムースに動くように、最後は紙ヤスリで
綺麗に整形しました

なんだか作っているうちに
段々デザインにも凝りはじめて気が付くと

握りやすく、それなりのデザインになるまで
作りこんでしまいました (^^)

ちなみに性能に関係ありません

でも長時間作業するなら握りやすく
なっているので快適でしょう !

では 部品が完成したので

後は組み付けだけです

どんどん組んでいきましょう!

あずみ車まで組んだところで

例の穴トラブルの解決策です

それはタコ糸で先ほどの割を入れた場所を
グイグイ締め上げます!

そうすると切り込みの幅だけ穴が小さくなります

そして

締め上げたら彫刻刀で
写真のように加工すれば!

空転防止の綺麗な四角になりました

対角線で9mmです
ほぼ狙いどうりの寸法に仕上がりになりました

     完成です(^^)

     どうですか?形だけ見るとかなり強力そうですね!
     ユミギリ式であれだけ楽に発火したのだから
     こっちはもっとラクに・・・・フフフ  楽しみです (^^)

マイギリ式 での火おこし

チャレンジ開始です!

道具は違いますが、それ以外のヒキリ板などはそのまま使います

早々作業開始です。

タイミングを合わせて横木を上下します
コツは横木を最後まで力を入れておろすのではなく
降りきる前に力を抜いて引き上げる動作に入ることだと思います

このタイミングをつかまないと、高速で回転させる事は出来ません

しかし 難しく考える必要はありません
少し練習すればすぐに出来るようになります

ようは横木が降りきる前に、「ふっ!」と力を抜いて
木の動きに合わせて上に巻き上げます

そして次に「ぐっ!」 と力を入れて一気に下ろします

後はこれを繰り返せばよいわけです

まずは 下準備です
これはとても大切です

この手の火おこし方法は
とにかく作業を始めたら忙しいですからね!

あたふたしていると、
せっかくの火種が消えてしまいます

今回はより火がつき易いように
中心部にワタをほぐして入れてみました

ではスタートです、

最初はスピードより先端をヒキリ板になじませる
事に神経を集中します

この時のコツは
とにかく「音」です!

キュ! キュ!」という音になるまで
注意しながら回します

写真としては変化が無いですが

キュ!キュ!」  から〜

シャ シャ」 

みたいな感じの音になったら
いよいよ最終段階です

先端から 煙が出始め
溝の周りには木の粉が溜まりだします

上の写真は失敗しました (^^ゞ
写真を撮りながらは無理のようです・・・・

再度挑戦中です

煙が出始めたとこですが
写真では分からないですね・・・

音と煙の具合から判断して
一気にフィニッシュです!

コツは
溝の木屑の中から煙が出てきたら火種ができています、
棒の周りからだけの時はまだですここで辞めてはいけません!

火種ができたら素早く
木屑と共に火口に移します

ここでの コツ はとにかく
細く長く 優しく・・・・

ふ〜〜〜〜〜〜〜・・・・・・・・・・・・・・・

と吹くことです

ふ〜〜〜〜〜〜 ゲホ ゲホ   (^^ゞ

やがて火種が大きくなってきます

写真では分かりにくいですが
実は凄い煙です

目が痛いですが!
ここが我慢のしどころです

すると 上手くいった時は

ぼゎ!

と火が点きます!

凄く嬉しい瞬間です (^^)

注意してください
本当に ボ! とくるので髪の毛が焼けたり
顔面を焼けどする可能性があります

む〜 気持ちよいです 

キャンプでやる時は
更に焚き火の準備をしておかないと
ダメですね

このようにして起こす火は
とてもありがたいですね

火のありがたみをしみじみ感じます・・・

いや〜
見事に火がつきました・・・・・・・・

実に簡単です・・・・・  

と言いたいところですが、実はそうではありませんでした

やはりこの手の火おこし方法はみな一癖二癖あります (^^ゞ 

 まとめ

今回 3つの火おこし方法を試してみました
方法として簡単でやり易い方法の順位を発表すると・・・

1位 ユミギリ式

2位 マイギリ式

3位 モミギリ式

の順番になりました、

1位が不思議でしょ?
実は、自分も不思議でした、マイギリ式は回転力からすべてにおいて
最高の性能を誇りました。

でも、煙の出るまでのスピードから着火時間まで
すべてにおいてユミギリ式の方が圧倒的に上でした

なぜか?

よく観察すると、いろいろと解りました

この手の火おこし方法は
火がつく条件として摩擦面の温度上昇にあるのは容易に想像つきますが
問題はその摩擦温度をどのように維持しながら温度を上げていくかです

そう考えるとやはり回転スピードは大切な要素です

しかし、モミギリ式でも着火する と言うことは
そんな程度のスピードでも火はつくということです

確かに マイギリ式もユミギリ式も キュ キュ と音がしはじめて
シャ シャ と音が変わるとすぐに煙が出始めることから
性能の良さはわかります

モミギリ式などは、やり方を考えれば分かりますが
連続回転は無理です

棒の下までモミ込んできたら、回転をやめて 手を上まで持っていかなくは
なりません・・・

それなのに 火がつく

そうなのです

大切な着火する条件の 摩擦温度を維持する には

先端を絶対に離さない

これなのです

ヒキリ板とアジサイの先端を離さないければ
1秒少々ぐらいは先端の温度はそれほど下がらないのです

そして、また回転させて圧をかけていくと
そこから更に温度が上昇していくようです

マイギリ式は・・・・・・

よく観察すると、マイギリ式は回転が切り替わる時に
上からの押す力から横木が上に巻き上がる時に
力を抜くので 勢いがある分 先端が 瞬間浮く時 があるのです

この瞬間に温度が下がり、そこからやり直しなのです!

回転力があるので
見ためは煙がでていますが、

着火する温度まで先端が上がらないのです。

煙が出る温度のまま 回転を続けている・・・・

そんな状態が続いて、ヒキリ板にどんどん穴が開いていき
アジサイもどんどん減っていく・・・・・・

着火しそうでいて なかなか着火しないようです

結論からすると
マイギリ式は全体の重さも重要な要素のようです

今回のものは少し軽すぎるようで
上手くやらないと成功できませんでした

但し、これは機械ではなく道具なので
道具というのは、使い方しだいなのでそれを練習で身につける
と言うのも大切な気がします

ユミギリ式は・・・・・・

上記の回転力と押さえつける構造から
先端が離れることも無く、

押さえつける力も加減できるので
自分の感想ですが一番理想的な道具のような気がします

一度先端のなじんだ物だと なんと 擦り始めて5秒ほどで
煙がではじめて15秒ほどで着火します (^^)

マイギリ式は・・・
着火しにくいとはいえ、そのパワーは凄く
一度使った火きり板の穴は熱が冷めると収縮してしまい
2度と使えません

勢いあまって途中で外れてしまった時も
キツキツになって再びそこで作業できない時もあるほどです

これはつまり最強のパワーがあると言えるのです

先端さえ浮かなければ・・・・・・・・

あとはもう少し棒の部分を長くしてストークを稼げばもっと楽でしょう
その辺を研究して道具を作れば、誰がやっても成功する
強力な道具となると思います。

自分としての結論は、 実践を考え
携帯性なども考慮すると

 「ユミギリ式」

この火おこし方法がとにかくお奨めです。

写真を見て下さい
これだけですからね!
キャンプなのどでも小さな袋に入り
場所を取りません


これで火を起こしその火で行う焚き火は最高ですね (^^)

アドバイス:
先端に使うアジサイは取る時点で太さが 12mm〜13mmぐらいのものを
探します。これは皮をむいて乾燥させると2mm以上細くなるからです
やはり10mm前後が一番効率がよい様です

最後に・・・

さてこのテーマを終わらせる前に 火おこし方法で最初に試した
モミギリ式のその後について書いて置きたいと思います

ユミギリ式などで火のおこる感覚がつかめたので
その後チャレンジしてみました

結果 なんとか成功しました! (^^ゞ

しかし、それまでに手にマメが出来て それが潰れて痛い思いもしました・・・

コツは 木が馴染むまで(キュ キュ 音が出るまで)はスピードではなく
押す力の方に注意を向けます

イチニ イチニ と口で言えるぐらいのスピードです

やがて シャ シャ音が出始めたら、少しスピードも上げますが
まだそれほど必要ありません、

やがて木屑がたくさん出てきてよい具合に溜まったら
そこから ラストスパートです!

スピードを一気に上げていきます!

とにかく先端を絶対に浮かせない!
これには注意してください、キリモミ式は回転を維持するのが
大変な分、一度先端が浮くと体力的に苦しくて失敗します

ユミギリ式で十分に火種の出来る感覚をつかんでから
挑戦するのがよいでしょう

弓とキリ押さえさえ作れば、後は同じ物でよいので無駄もありません

やはりモミギリ式で火種が出来た時の感動は格別でした

チャレンジしてみてください (^^♪

Copyright (C) All Rights Reserved.