キリモミ式 火おこし 先人の知恵に学ぶ

キリモミ式 火おこし 先人の知恵に学ぶ

火おこし にチャレンジ!

みなさんは大昔の火おこしを見た事がありますか?
自分はこれまでテレビなどで見たことはありましたが、実際にやった事は
ありませんでした、この経験をするまでは

わりと暑い日にタープの下でいつもの仲間と酒を飲みながらキャンプをしていました
みんな気持ちよく酔っ払って、思い思いにいろいろな話題を提供しては
盛り上がっています。

この仲間は「アウトドア」なんて言葉の無い時代からの野宿野郎たちです

道具も今のような便利な物の無い時代からですから
自分たちの経験と工夫の話題は盛り上がります!

その中であるテレビ番組が話題になりました、

「なんか最近サバイバル物の番組が多くねいか?」

話題は盛り上がり、最終的には何処までが実際で何処からヤラセかで
盛り上がっていました、その中で 定番のシーンから今回の話が始まりました

「あの最初に苦労する火おこしはあれはどうなんだ?」

「ありゃ〜ヤラセでしょ!」

「でも結構苦労してる感じはリアルだぜ!」

などとワイワイと盛り上がった時に、

「じゃ今から その火おこしをやってみようぜ!」
「あいつらに出来るなら 俺たちにもできるでしょ!」

みんなそれぞれに記憶の片隅に火おこし道具のイメージはあるので
早々何人かで始めてみました、

当然最初は一番単純なキリモミ式です・・・・

まったく火の点く気配がありません・・・・・・ 3分もするとヘトヘトです (^^)

「じゃ紐を使ってまわそうぜ!」

後から調べると、ヒモギリ式という方法でした、
さすがにこの方法は 焦げくさくなり煙が出てきました!

「なんだ楽勝だぜ!」   

という声が出ていたのですが、5分たっても10分たっても
それ以上進みません・・・・・

結論から言えば、参加者はみんな体力的にくたばりました (^^ゞ
見れば木が焦げているだけでこれでは点かないな!と言うのが結論です、

そして俺らの出した結論は あれは ヤラセ! だ!  です

少なくとも、技術のある人のアドバイスなり指導がなければ無理でしょ!
ということで話がつきました 

その盛り上がりは楽しかったのですが、自分のなかでは密かに悔しさが
残っていたのです

そしてある時、このプロジェクトを成功させてやる!と行動を開始したのでした

これはその時の 記録 です、果たして上手くいくのかな?  (^^ゞ

◆ 予備知識

まず主にどんな方法があるのか見てみましょう!
有名な方法を集めてみました、
?キリモミ式 

 これはおなじみ最初に道具として
 イメージする人が多いのでは・・・?

?マイギリ式  

 道具の力で火を点ける! 
 そんなイメージですね 一番簡単に火が点きそうですね

?ヒモギリ式  

 初めての時 何気なくやっていた方法です、

 (一人では出来ません)

?ユミギリ式  

 ヒモギリ式を一人で出来るようにした感じですね
 これも上手く火が点きそうですね!

で 今回はどれを試して見るのかというと・・・・

男は黙って キリモミ式 でしょ! (^^ゞ

一番難易度の高そうな方法にチャレンジするのでまずは情報収集です

道具はどれも単純な物で 3つ用意すれば終わりです

?ヒキリ棒 これは摩擦を与えるためのメインの棒です
       この棒をどのように回転を与えるかで上記の様な方法が編み出された
       ようですね

?ヒキリ板 ヒキリ棒を回転させる土台となる下にひく板です
       この木に火種が出来る大切な部分です

?火口   この手の発火方で出来る火は、線香やタバコの火と同じで
        炎ではありません、なので炎にするための材料です
        麻ヒモをほぐしたのが良いようですが (手に入りやすい)
        調べると すすきの穂 ヤシの実の繊維部分 タンポポの綿毛
        なんかも大丈夫みたいです、

        アフリカのマサイ族などはウシの糞をよく乾燥させた物を使うそうです

            では 道具を作ってみましょうか・・・・・・・

     材料はなるべく自然に手に入る物にしましたが
     板とかは廃材などを使います、
     ようは簡単に手に入る物にしたわけです

     いろいろ調べてみると、どうやらこの古式発火具は道具が
     単純な分だけ 発火成功のカギを握るのは道具の寸法と
     形それと材料に秘密があるようです、

材料です
調べると硬い木なら何でもよい訳ではないようです

発火効率がよく入手しやすいのは
アジサイの木という事がわかりました

但し 緑の新しい部分ではなく2〜3年たった
硬くて直径が10mm以上が必要です

ただこの太さでは真直ぐの物を見つけるのは
無理そうです

真直ぐの物が無いので
回転させるための部分を作ります

つまり発火させる部分はアジサイで回転させる
ための軸は別に作り、交換式にする訳です

そのために、今回は比較的何処にでもある

シノダケ という竹の細い物を取ってきました

取立ては柔らかいので
一週間ほど乾燥させました

その中で穴の径が8mmぐらいの部分の
節から節の部分を切り出します

切り出したら

まず 節の部分を丸く削っておきます

反対側は割れ防止のために糸を巻いて
補強しておきます

次に 彫刻刃で丸い穴を四角く削ります
これによりアジサイの芯が空転するのを
防ぎます

目安は 対角線の長さが10mmにするのが
コツです
そうすれば10mmのアジサイの枝を四角く削れば
丁度いいサイズとなります

アジサイの加工です

なるべく真直ぐな部分が取れるように
加工していきます

一つの長さは6cmぐらいでしょうか?

こんな感じで切り出しました

当然ですが、こちらも良く乾燥させておきます

見ると芯の部分はなにやら発砲スチロール
のようです

不思議な構造です

こんな感じで皮をはいで

先端の部分は角を落とし
反対側は刺さるように現物を合わせながら
四角く削ります、

この時まっすぐ刺さるように調整しながら
四角い面を調整します

完成です!
今回のアジサイの径は皮をはいだ
時点で11mmぐらいでした
次はヒキリ板の製作です

今回材料は安い杉板です、これは柔らかさからも
良いようです

この理由は、ヒキリ棒で摩擦した時に
オガクズのような粉が出てそこに火種が出来る
からで、硬い木では煙は出ても着火するための
材料ができず、火種が出来ないからです

もう一つ大事なコツは
材料の厚さのようです

1.5cm以下1cmぐらいがベストのようです
(厚さによって発火時間がかなり違うようです)

三角の切り込みは
出てきた粉が溜まるために切り込みます
これが無いとヒキリ棒の周りに溜まり火種が
出来ないのです

実際にやるとわかるのですが
火種の出来る場所が摩擦している部分に
出来るのでは無いのです!
溝に溜まった屑の中が発火点に到達して
火種が出来るようです

と言うことで
V字型の切り込みは幅4mm深さは3〜4mm
ぐらいでよいです

上の皿状の窪みは
やり始めの時にヒキリ棒が回転させると
外れてしますのを防止するためです

慣れの問題ですが、なれないうちは深め
2〜3mmぐらいでよいでしょう

次に準備するのが 火口 です

いろいろあるようですが、今回は麻縄です

これを10cmぐらいに切断します
後はこれを一本一本バラバラに
ほぐしておきます

火種が出来たら
この中に入れて炎にする大事な材料です

さて・・・・・

これで準備はそろいました!

後は 実際にやって見ましょう

さて!

スタートです、情報によると

押さえつける力は2〜3Kg
(ヘルスメータで試して感じをつかみました)

回転スピードははじめはゆっくり
10秒間に15〜20往復ぐらい

煙が出てきたら一気にスパート
10秒間に35〜40往復!

初めは形状が合わないので
カタカタしていますが

やがて音が・・・
キュ!キュ!と艶のある木同士をこすり合わせる
音に変わりました (形がなじんだ時のようです)

しばらくすると・・・
今度は シュ シュ と紙ヤスリをかけるような
音に変化したと思ったら
溝に木屑が出始めました    イイゾ〜(^^)

さらにガンバルとどんどん屑が溜まると共に
ついに匂いが変化して

煙が出始めました!

「今だ〜 !」

「うりゃ〜!!!!・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」

結論は 失敗です・・・

何が失敗かと言えば

力尽きたのです、握力が無くなり
汗だくでスピードを維持できませんでした

煙から判断して点いたと思ったのですが
ダメでした  

上手い人だと

30秒から50秒で発火するらしいのですがとても出来ません・・・・

練習するにも一回でヘトヘトで握力が無くなり何度も出来るものではありませんでした

川原でやった時よりは明らかに進歩しており、感触は成功する確信はあるのですが
コツを掴むまで練習が出来ません・・・・

今日中に火を起こしたい!

男は黙って プライドを捨てる! (^^ゞ

ドリルでなにやら 

穴を開けてます

ちなみに 4mmです

サイズはあまり意味はありません (^^ゞ

その辺のいらない木片とあまりのシノダケで
急遽こんな道具を作成しました

さて これは何でしょう?

そうです 

これはユミギリ式です!

これなら 楽なのではないかと

簡単に作れるのでやって見ました
はたして上手くいくのか?

試してみます

コツを掴むと簡単にまわす事が出来ます
しかも、力はほとんどいりません!

カメラの調子が悪いです
ホワイトバランスが壊れた?
カメラのアングルも上手く調整できず
見づらいですが簡便してください

「キター!」

なんと あっさり発火しました

感動です !(^^)

しばらく 眺めてしまいました

観察するとやはり木屑の中から
発火するようです

木屑の量と風によるでしょうが
結構火持ちはいいようです

この量2分ぐらい燃えていました

ユミギリは最高です!

何度でも簡単に発火します
やはり人間の進歩は道具の工夫にあるのだ!

さてこれでは焚き火はできないので
炎にしなくてはなりません

写真ではわかりにくいですが
麻繊維の中に 木屑と共に火種を入れて
います

やりました!

写真は作業中撮れないのでかんべんを・・・

麻縄の中の火種に向かって口で細くやさしく

「ふ〜〜〜〜〜」 と続けるとやがて
煙がモクモクと出てきて、
(かなり凄いです (^^))
煙に負けずにガンバルと

    ボ!

着火しました、

かなり危ない発火のしかたでした、
髪が長い人は髪が焦げるかもしれません
試される方は、くれぐれも注意してください

自己責任でお願いします

いや〜

感動です 楽しいです
火を起こす事ができました

この火は非常に愛着が沸きます
キャンプの時の聖火になりますね (^^)

昔は火を手に入れる事がどれほど
貴重なことなのか身をもって味わへます

一度は経験した方が良いかもしれませんね

で キリモミ式は・・・・・・

ポリポリ・・・・・ 汗
この後もう一度チャレンジしたのですが、やはり力つきました

機会をみてチャレンジします、どのように火が起きるのかが分かったので
次は何とかなるのでは・・・
しかしもう少しユミギリで何処までスピードを落として発火するか何度も
練習した方がよさそうです、

ユミギリはあまりに早く回せて簡単なので、このスピードでは手では
絶対に出来ません、

力加減 や スピード加減 等 研究してからのチャレンジですね (^^ゞ

それにしてもユミギリ式は簡単でした、
もちろん道具のサイズや材料の種類 等よい条件をそろえたからですけどね

この部分を無視すると、失敗するでしょう

それは初めに書きましたね (^^)

しかし条件をそろえて 慣れるとほんとにあっさり成功します
これはよい経験になりました

さてテレビでの件ですが・・・・・
知識の無い人が見た感じでチャレンジしても多分無理でしょう
まず 発火の仕方が予想できません かなり意外でした

コツの一つに音を聞き分ける事が上げられます
これなど知らないと体力がもちません はじめたら全力では・・・ (^^)

という事で テレビはインストラクタがいるか、 ○○○ かな?

しかしどうでも いい事です おかげで貴重な体験が出来ました (^^)

テレビさん ありがとう〜♪

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